お客様の「DX推進」をサポートする組織づくり

DXを推進するためには、ビジネス系や技術系のスキルを持った人材を獲得するだけでなく、組織を管理/運営するマネジメントが欠かせません。
今回は、エンジニアが主体となって動いた「変化に対応できる組織づくり」に焦点を当て、お客様へのスピーディーな提案/開発を実現するための取り組みについてご紹介します。

急速に求められるデジタル人材

SaaS型ビジネスのグローバル展開や、社内の経営資源を見直したDX推進など、デジタル化の需要は拡大しています。目まぐるしく変化する外部環境を事業機会と捉えて、DXを経営戦略の一つとして考えることが求められるようになりました。

DX推進においてカギとなるのは、多様なスキルを持った人材です。ビジネス系スキルであれば、オープンイノベーションを提案して、自社の競争優位をつくるために組織を編成し、マネジメントする能力が求められます。

技術系スキルであれば、基盤構築(アーキテクチャ)を考えるエンジニアや、データを基にユーザーの動向を分析するデータサイエンティストなど、ユーザーに価値を届けるために欠かせない専門的な能力が求められます。

デジタルの事業に対応できる人材
出所:「デジタル事業に対応する人材」IT人材白書(2021)を参考に弊社編集部が作成

また、DXを推進するには「何を目的とするのか?」「価値をどのように実現するのか?」「顧客やユーザーにメリットをもたらすものなのか?」という視点が欠かせません。

フェンリルが創業した頃(2005年)のソフトウェア業界では、デザインへの理解が低く、現在のように洗練されたプロダクトばかりではありませんでした。そのような状況のなか、フェンリルは「ユーザーの使い心地」や「利便性」を重視したデザイン/開発にこだわり続けてきました。

DXが声高に叫ばれる前から、その推進には何が必要となるのかを察知して、具体的なアクションを積み重ねてきたのです。

共同開発事業の変遷

フェンリルの事業は、創業者が手掛けたSleipnirという自社開発のプロダクトからスタートしました。2008年からは、クライアントのご要望に合わせたソフトウェア開発(共同開発事業)をスタートさせ、15年間で約400社、600件以上のプロジェクトに携わってきました。

実績を積み重ねる過程で、スマホアプリだけではなく、ウェブサービスやクラウドの領域まで開発の範囲を広げていき、ナショナルクライアントからも大きなプロジェクトを任せていただけるようになりました。現在は、大阪・東京・島根・京都・名古屋の5拠点で150名のエンジニアが開発に携わっています。


フェンリルの事業の変遷と受注した案件の規模

テックチームの発足

プロジェクトの増加に合わせて、組織の規模も拡大していきました。組織を拡大すれば、開発スピードを飛躍的に向上させることができます。しかし、人材が集まるだけでは、サービスの品質向上にはつながりません。変化に柔軟に対応するためには「小回りが利くチーム」を編成し、組織を横串でつなぐ必要がありました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大によってリモートワークが主流となり、従来のコミュニケーションだけではフォローしきれない新たな課題も出てきました。

このように、変化に柔軟に対応しながら課題を解決していく。その実現のために、エンジニアが主体となって作られたのが「テックチーム」です。

「個」と「集団」のどちらも強い組織へ

さまざまな案件の開発を並行して進めるために、エンジニア自身がプロダクトやサービスについて考え、案件内容に合わせて支援する仕組みづくりを心掛けています。小さな組織であれば、意思決定者(経営者など)と従業員の距離が近いため、トップダウンの構造であっても個々の意見を拾うことが可能です。
しかし、組織の規模が大きくなればなるほど、意思決定者と従業員の距離や齟齬が生まれやすく、若年層のフォローアップが遅れてしまいます。

そこで、テックチームが開発における司令塔の役割を担い、ミドルマネジメント層と実務を行うエンジニアの双方が発言しやすい組織をつくることで、「個」と「集団」のどちらもが強くなる組織づくりを行っています。

出所:「H.ミンツバーグ経営論」H.ミンツバーグ(2007)を参考に弊社編集部が作成

これまでの活動は以下の4つで、エンジニア自らが組織に貢献できる体制を整えてきました。

01.開発におけるガイドラインの策定
02.情報共有の強化
03.学習のためのロードマップの作成
04.目標設定およびフィードバックによる育成支援

また、エンジニアは以下の専門分野から興味のあるものを選択して、それぞれが専門ユニットを組んで活動するなど、スキルアップを行っています。希望に応じて他のユニットにも所属することができ、エンジニアの技術向上と担当領域の拡大にもつながっています。

•iOS
•Android
•フロントエンド
•バックエンド
•クラウドサービス
•DevOps
•TQM(Total Quality Management)

このように、フェンリルではDXの推進に欠かせないビジネス系/技術系スキルの向上はもちろん、スピーディーな提案と開発を実現するための組織体制の整備にも着手しています。

変化し続ける外部環境に対応するためには、DX領域への投資は欠かせない要素となります。しかし、自社のみでDX人材を揃えることは困難であり、現実的ではありません。

フェンリルでは、中長期に渡ってお客様の事業戦略の実現に伴走し、しっかりとサポートできるスキルと組織体制があります。ご要望に合わせたプランを提案させていただきますので、お困りの際は気軽にお問い合わせください。

本記事の執筆者|岸本 将司
フェンリル株式会社 開発センターエンジニア
2011年にフェンリルに入社。モバイルアプリケーション開発のエンジニアとして、主にAndroidのネイティブ開発を担当している。2021年から、組織全体のエンジニアリング力を強化するためにつくられたAndroidテックユニットのテックリードとして活動中。

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