実績:NFAアプリ | フェンリル

アフリカの栄養改善を支援するアプリ

独立行政法人国際協力機構 Japan International Cooperation Agency（以下、JICA／ジャイカ）は、日本の政府開発援助（ODA）の実施機関として、開発途上国への国際協力を行っています。

NFAアプリは、アフリカ連合開発庁（AUDA-NEPAD）とJICAが共同で開発した、ウェブアプリケーション・ツールです。このアプリは、食料アクセスの改善を通じた健康的な食事の推進をサポートします。具体的には、JICAが推奨するNutrient-focused Food Access Improvement Approach (NFA) に基づき、対象者の日々の食生活を可視化・評価して栄養素のギャップを特定し、農業カレンダーと社会経済的背景から食料アクセスを確認。さらに、栄養に配慮した農業と健康な食事摂取を推奨します。

フェンリルは、このアプリの開発とデザインを担当。要件整理や技術的課題を解決して、ユーザー体験を向上させるデザインを実現しました。

高度な計算とデータ管理の実現

アプリ開発では、栄養価の複雑な計算体系を理解した上で実装を進めました。
例えば、世帯レベルとコミュニティレベルで、それぞれ栄養評価が可能となるように設計し、同時に両者が相互に連携する構造としました。このような背景から、さまざまな利用パターンを考慮した設計・開発を実施。将来的な多言語対応も見据えたコード設計にしました。

また、分析に不可欠なマスタデータの構造を的確に把握。データの削除時でも既存データに影響が出ないよう、警告ダイアログを表示して、削除後のデータ連携を考慮した設計にしました。
さらに、利用する環境を考慮し、電波の弱い場所やオフラインの状況下でも動作するPWA形式でアプリを構築。他にも、オフラインで保存したデータを送信する際に競合が発生する可能性に対し、お客さまと検討を重ねて最適な処理フローを確立しました。

加えて、レスポンシブ対応のウェブサイトであるため、PC用とスマートフォン用の2つのデザインを作成。どちらのデバイスでも見やすいデザインにしただけでなく、それぞれの利用状況を事前に調査して利用頻度の高いパターンに最適化することで、ユーザー体験を向上させました。

今後の展望

本プロジェクトにより、アフリカ圏で利用されるグローバルなウェブアプリを開発しました。
外国にいるお客さまとゼロからシステムを設計できたことは、大きな収穫です。特に、アフリカ地域で利用されるアプリの開発は初めての挑戦でしたが、JICAや現地組織と密に連携することで、言語や現地文化のハードルを乗り越えることができました。

実際にアプリを利用いただいた方々からは、高い評価が寄せられています。現地のCNDN（国家栄養開発評議会）支所長からは、対象地域でのアプリ試行の終了後、「このアプリは、CNDNの栄養士にとっても有用だと思う。早く他州に経験を共有したい」との感想をいただきました。
また、現場使用者からは、「栄養状態の改善に必要なものを特定する手助けをしてくれる」「食事への意識変化につながった」といった声が寄せられました。

今後もフェンリルは、国内はもちろん国際的なプロジェクトにおいても、多岐にわたるサポートを提供します。

制作スタッフ

プロダクト

田甜

曾進思、余帥、周密

フロントエンド開発

宋川

バックエンド開発

文助豪

梅佳麗、黄婕

デザイナー

彭玉婷

営業

池田正文、　大倉光晴

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