Fenrir Inc.

価値を最大化するサービスグロースのための取り組み

アプリはユーザーに長く使われてこそ、その価値を最大限に発揮できるとフェンリルは考えています。では、愛され続けるアプリをつくるには何が必要でしょうか。
私たちが重視しているのは、プロダクト開発に関わるすべての人が密に連携し、アプリの全体像と将来の方向性をあらかじめ深く理解することです。その上で、ユーザーとビジネスの両方の視点からデータを分析し、より効果的な施策を導き出します。こうした分析と改善のサイクルを回すことでユーザーとの関係は深まり、アプリは長く愛される存在へと育つはずです。
今回は、フェンリルのプロダクト『DROMI』を例に挙げて、アプリのデータ収集の目的と実装についてマーケターが解説します。

分析と改善を繰り返してプロダクトをサポート

フェンリルは、ユーザーが「使いやすい」と感じるプロダクトづくりを大切にしています。

これまで培ってきたデザインと技術に、マーケティングの視点を組み合わせることで、プロダクトの成長をさらに加速していきます。リリース後も分析と改善のサイクルを回し続け、プロダクトの価値を最大化できるようサポートを尽くしています。

フェンリルのグロースマーケティングにおける提供サービス

その成長の鍵となるのが、プロダクトを持続的に成長させるためのグロース戦略です。策定にあたっては、単に数値目標だけでなく、市場において独自のポジションをどう確立するかというマーケティング戦略の視点が欠かせません。

それでは、フェンリルのプロダクト「DROMI」を例に、グロース戦略に基づいたデータ収集の実践的なプロセスを解説していきます。

iPadのための絵コンテ作成アプリ『DROMI』

DROMIは、動画制作における絵コンテおよびビデオコンテの制作に特化した、iPad専用のアプリです。企画者のアートディレクターを中心に、デザインや開発、プロモーションなど各分野のメンバーが加わり、それぞれの強みを生かした連携体制によって、継続的なアップデートを続けています。

【DROMIのブランディングに関する記事はこちら】
Knowledge Vol.25 「創造性を掻き立てるプロダクト設計とは

DROMIの操作画面

グロースサイクルを策定し、チームの指針をつくる

情報を整理

まずは、プロジェクトメンバー全員にグロースマーケティングの考え方と進め方を共有し、情報の整理から始めます。ここでは単にマーケティング情報を整理するだけでなく、各メンバーのプロダクトにかける思いを深く理解することも重要です。

価値を定義

次に、整理した情報を基に目指すべきビジョン、ターゲット、価値といったプロダクトの根幹を言語化し、ブランドの提供価値を定義します。その際、価値ピラミッドのフレームワークを用いて、ブランド価値を構成する感情と機能の2つの側面を深掘りします。

DROMIの場合、このプロセスを経て、体験価値を「時間軸のあるアイデアを気軽に形にできるように創作活動をアシストすること」と定義しました。このようにプロダクトの核心を定めたことで、メンバー間で認識が一致し、今後のフェーズにおいても一貫したメッセージをユーザーへ届けるための軸が確立できました。

出所:『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』小山田育・渡邊デルーカ瞳(2019)を参考にフェンリルが作成

グロースサイクルを策定

次のステップでは、この体験価値を中心に、プロダクトを成長させるための指針となるグロースサイクルを策定します。

グロースサイクルとは、ユーザー視点とビジネス視点の両面から、プロダクトの持続的な価値循環を示した設計図です。プロダクト内で生じる体験がどんな効果を生み出すか、またそれらの効果に紐づくKPIを可視化できます。プロダクト成長の指針となるため、プロジェクトメンバー間で施策の優先順位や改善の方向性を共有しやすくなります。

DROMIでは、既存ユーザーの満足度を高める「ユーザー定着」と、新たなユーザーを呼び込む「ユーザー獲得」という2つのサイクルが相互に作用するモデルを定めました。

DROMIのグロースサイクル

この策定プロセスを通じて、「ユーザーの作品が外部へ共有される」ことを起点としたDROMIの価値循環が見えてきました。プロダクトに対する客観的な評価と認知が広がり、それが新たなユーザー獲得へとつながる構図です。

この価値循環を成長に結び付けるため、DROMIでは作品の共有数を増やす具体的な施策と、その結果を確かめるデータ分析を強化することにしました。

では、単なるユーザー獲得に留まらず、長く使い続けてもらうには何が必要か。ユーザー獲得と定着の両面から、プロダクトを成長させるためのKPIの整理についても解説します。

グロースサイクルを基に、プロダクト成長のためのKPIを設計

プロダクトの成長に欠かせないKPIは、グロースサイクルを可視化することで見えてきます。設計のポイントは、サイクル内の各アクションが次にどんな影響を与えるかを特定し、その変化の瞬間に適した指標を定めることです。

また、設計の段階では「どのようなデータを取得するか」だけでなく、データの取得方法についても検討を重ねなければなりません。

DROMIの場合、アプリ内(アプリの利用状況)とアプリ外(WebサイトやSNS、イベントの反響)の2つのデータに分けて整理しました。

アプリ内のデータはGoogle Analytics 4やアプリ分析ツールで取得をし、アプリ外のデータは各データに合わせた計測ツールを活用してデータを取得しています。SNSのフォロワー数や、絵コンテ作品の拡散数など、アプリ内の分析ツールだけでは見れない動向を確認することも大切です。

プロジェクトメンバーとの密な連携でデータの計測環境を構築

アプリ内のデータは、ユーザーの継続利用を促す機能改善や施策のヒントを得る目的で設計されています。この設計には、デザイナーやエンジニアなどプロジェクトメンバーとの連携が不可欠です。

Webサービスと比べてアプリは自動で取得可能なデータに限りがあるため、あらかじめ取得したいデータを決めてから開発者が作業します。DROMIでは、取得したいデータを「イベント設計書」にまとめ、開発担当と密に連携して計測環境を構築しました。

また、使い続けてもらうためには、ユーザーの声を聞いて改善することも欠かせません。ユーザーから直接得られる声と、プロダクト内の行動データや外部データなどを多角的に分析することで、プロダクト成長のために何が必要かを客観的に把握できます。

愛されるプロダクトをつくるために

持続的にプロダクトを成長させるには、ユーザー視点とビジネス視点の両面で考えることが重要です。サービスの価値を最大限に高めるため、開発段階からプロダクトに求められる役割を明確にし、計画的にデータ設計をしていく必要があります。

今後もデータを活用し、DROMIを含む、ユーザーとお客様のためのプロダクト成長を支援していきます。

フェンリルでは、プロダクトの全体像を可視化し、ユーザー獲得やエンゲージメント向上のためのより良い方法を提案しています。ご興味のある方は、気軽にお問い合わせください。

本記事の執筆者|萩原 もえ香
フェンリル株式会社 デザインセンター デザイン部 マーケター
前職では総合広告代理店にて、クライアントのマーケティング支援として市場調査・分析から、コミュニケーション戦略の立案・実行、施策の効果検証までを一貫して担当。2023年にフェンリルへ入社後は、主にプロダクトやサービスのグロースを目的としたマーケティング支援に従事。現在は、グロースモデルの可視化やKPI設計、ブランディング支援などを中心に担当している。