絵が苦手でも伝わる! 絵コンテの描き方と定番構図

絵が苦手でも伝わる! 絵コンテの描き方と定番構図

かわた

「動画を作りたいけれど、自分が描いた絵コンテでイメージを伝えられるかが不安......」そんな悩みはありませんか?
難しく考えられがちな絵コンテですが、実は正しい手順と、ちょっとしたコツさえ知っていれば、誰でも描くことができます。

この記事では、画力に自信がなくても実践できるポイントや、構図の基本をまとめました。アイデアを形にするためのガイドとして、ぜひご活用ください。

絵コンテを描く手順

絵コンテ制作は、一般的に以下の5つのステップで進めていきます。

 1. 目的とサイズを決める
 2. 映像の種別を決める
 3. シナリオを用意する
 4. フォーマットを整える
 5. 絵コンテを描く

この記事では、「5.絵コンテを描く」ステップを深掘りして解説します。
 

絵コンテの描き方と構図の基本

絵コンテ制作において最も大切なのは、画力ではありません。絵コンテは、あくまで伝えたい意図を整理して共有するための設計図だということを頭に入れておいてください。

ここからは、映像の質を引き上げるための5つのポイントを紹介します。これらを意識するだけで、絵コンテが説得力のあるものになるはずです。

まずは、1つ目のポイントから見ていきましょう!

 

1.ショット(カット)サイズが持つ役割を知る

映像は、被写体との距離(サイズ)によって、視聴者に伝わる情報や感情がガラリと変わります。
なんとなくではなく、それぞれのサイズが持つ役割を知っておくと、ショットの割り振りに迷いがなくなります。代表的な3つのサイズを使い分けてみましょう。

ロングショット

ロングショット(引きの絵)

役割
「どこで何が起きているか」という状況を伝える

使いどころ
シーンの冒頭など、まずは場所や全体の雰囲気を分かってほしいとき 

 

ミディアムショット

バストアップ・ミディアムショット(中間の絵)

役割
「誰が何をしているか」という動きや関係性を伝える

使いどころ
会話シーン、身振り手振りのあるアクション、立ち位置で心理的距離を見せたいとき

 

アップショット

アップショット(寄りの絵)

役割
「感情」や「重要なディテール」を伝える

使いどころ
登場人物の表情を強調したいときや、キーアイテムを印象づけたいとき


このショットで一番伝えたいことは、場所なのか、動きなのか、それとも感情なのか…。これを考えると、自然と最適なサイズが見つかるはずです。


2.アングルが与える印象について知る

アオリ

アオリ
対象を大きく見せ、迫力や威圧感を与える表現ができます。

 

フカン

フカン
全体像を把握しやすく、客観的な演出に向いています。


3.図形を使って画面のバランスを整える

絵コンテを描くとき、ついつい棒人間で描いていませんか?
実は、棒人間のような細い線で描くと、画面全体の情報の密度がうまく掴めないことが多いです。

そこでおすすめなのが、キャラクターや物を図形に置き換えて、面積で考える方法です。
まずは、主役やモチーフのサイズ感をイメージしてみましょう。

面積でサイズ感を捉えよう

ぬいぐるみの場合
顔と体のサイズ感は同じと想定し、1対1の面積で図形を配置します。

人間の場合
人間は成人で8頭身とされているため、顔と体が1対7の面積となるように図形を配置します。

モチーフ全体における各部分の比率を意識すると、図形の配置がより決めやすくなります。
次に、画面に対して、どのくらいの面積をその図形が占めているかを意識してみましょう。

図形の配置を決める

例えば、主役の顔を画面の50%以上の面積を使って大きな丸で描くと、それは自然とインパクトのあるアップのカットになります。逆に、小さな丸が画面の隅にあるなら、それは孤独感や広い場所を表現していることになります。

きれいに描こうとするのではなく、図形の配置と大きさを決める感覚で描いてみてください。これだけで、画面のバランスが安定して、プロっぽいレイアウトになります。


4.絵の上手さよりも大切なカメラ視点の取り入れ方

どんなにきれいなイラストが描けていても、いざ映像にしてみると「なんだか素人っぽいな……」と感じることがあります。その理由は、カメラのレンズ越しにどう見えるかという視点が抜けているからかもしれません。

撮影現場をシミュレーションする意識で描くのがコツです。

ガウス

「背景をぼかす」だけで一気にかっこよくなる

例えば、人物にピントを合わせて背景をわざとボヤけさせて描いてみてください。これだけで被写界深度(奥行き)の指示になり、一気に映画のようなクオリティになります。

レンズの比較

カメラの向こう側を想像してみる

どう描くか?と同じくらい、カメラでどう撮るか?を意識することは大切です。もちろん、レンズの歪みや圧縮効果まで完璧に把握して描き切る必要はありません。実際のレンズ選びや細かな調整は、プロのカメラマンが担う領域だからです。

ですが、絵コンテを描く段階で、広い範囲を映したい(広角)のか、遠くを強調して引き寄せたい(望遠)のか、その意図が明確であれば現場への引き継ぎがスムーズになります。

絵コンテは、「カメラでこう撮ってほしい!」というメッセージです。頭の中で少し現場のシミュレーションをするだけで、撮影イメージに説得力を持たせられます。


5.カメラワークを考えよう

映像がイラストと決定的に違うのは、カメラそのものが動くことです。
静止画にどうやって動きを書き込むのか。そのルールを知っておくと、撮影や編集のスタッフに正確なイメージが伝えられるようになります。

a. 映像特有の表現を記号にする
1枚の絵の中に「矢印」や「記号」を書き足すことで、カメラの動きを表現します。絵を細かく描き直す必要はありません。「ここからここへ動く」という意思表示が何より大切です。


b. 誰が見ても分かるように書くコツ
DROMIなどのツールを使う際は、「矢印」と「メモ欄」をセットで活用しましょう。

矢印で方向を示す
例えば、画面の端から中央に向かって矢印を引くだけで「ZOOM(ズーム)」の指示になります。

メモ欄に補足する
矢印だけでは迷うこともあるので、メモ欄にひとこと添えるのが、誰が見ても分かるコンテにするための優しさです。


c. 基本のカメラワーク5選

現場でよく使われる共通言語を知っておきましょう!

PAN

PAN(パン)
カメラを固定したまま、左右に振る動き。風景を広く見せたいときに使います。
アニメでは、カメラを上下左右に平行移動させる動きもPANと呼びます。

 

TILT

TILT(チルト)
カメラを固定したまま、上下に振る動き。高層ビルを見上げたり、足元から顔へパンアップしたりするときに使います。

 

ZOOM IN

ZOOM(ズーム)
レンズを動かして被写体に寄る(イン)、または引く(アウト)動き。特定のものを強調したいときに使います。

 

TRACK

TRACK(トラック)
カメラ自体が移動しながら、被写体に並走したり近づいたりする動き。臨場感や迫力が出ます。

Follow PAN(フォローパン)
カメラはその場に固定し、首振りだけで追いかける動き。遠くのものを目で追うような表現ができます。

TRACKとFollow PANは、どちらも追いかける指示ですが、映像のスピード感や奥行きの見え方が大きく変わるので、狙いたい演出に合わせて使い分けましょう!


表現の幅が広がる定番の構図10選

何をどう配置するか、という構図のパターンを知っておくと、一気に映像の説得力が上がります。シーンの雰囲気に合わせて使い分けましょう。

三分割構図

1. 三分割構図
三等分線の交点、もしくは分割線上にモチーフを配置します。視線誘導と安定感を生み、余白で物語の広がりを表現する汎用的な構図です。

  

二分割構図

2. 二分割構図
上下左右を等分して配置します。静寂や対立を表現する場面に有効です

 

日の丸構図

3. 日の丸構図
主役を中央に配置する構図です。被写体の内面や象徴的な強さを直感的に伝えられます。

 

斜め構図

4. 斜め構図
ダイナミックな表現が得意で、動きをつけたり、奥行きを出したり、リズム感を出したりと、さまざまな使い方があります。

 

放射線構図

5. 放射線構図
一点へ収束する線上にモチーフを配置します。視線を中央へ誘導でき、スケール感を演出できます。 

 

三角構図

6. 三角構図
三角形の頂点に被写体を置き、写真の中に三角形の線ができるように撮影する構図です。安定感や威厳を演出できます。

 

逆三角構図

7. 逆三角構図
モチーフを逆三角に配置する構図です。緊張感や躍動感を表現できます。

 

S字構図

8.S字構図
モチーフをS字状に配置した構図です。画面にリズムや奥行きを生み、物語性を加えることが可能です。 

 

フレーム構図

9.フレーム構図
枠内に主題を配置した構図です。主役を強調でき、臨場感を与えたり、立体感のある表現がしやすくなったりします。

 

対比構図

10.対比構図
大きさ・色・明暗・形など、対照的な要素を同じ画面に配置し、それぞれの違いを強調できます。

すべてを完璧に使いこなす必要はなく、伝えたい感情から構図を逆引きするのが、表現の幅を広げる近道です。
さらに一歩踏み込むなら、構図の連続性を意識してみましょう。映像の面白さは、1つのショットだけで決まるのではなく、カットのつながりによって生まれます。

例えば、ロングショットからミディアムショットへ繋げば、状況と主役が明確になります。また、アップショットへと視点を移せば、客観的な状況から登場人物の心情を伝えられます。
こうしたカット同士のつながり(演出の流れ)を気軽に試せるのが、絵コンテの醍醐味です。

おわりに

絵コンテは、最高の映像を作るための設計図です。絵を描くのが上手い必要はありません。大切なのは、頭の中にあるイメージを言葉や図形で形にすることです。

まずは自分の好きなカットを1枚、絵コンテ制作に特化したアプリのDROMIで描いてみることから始めてみませんか?
その一歩が、きっと素晴らしい映像制作につながるはずです。みなさんの創作活動を応援しています!

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