今さら聞けない絵コンテとは? なぜ映像作りには欠かせないのか
目次
1.絵コンテとは?:映像のイメージを可視化したもの
絵コンテ(ストーリーボード)とは、一言で言えば「映像の設計図」です。 脚本や企画書にある「言葉」の情報だけでなく、映像のイメージを「視覚的」に落とし込んだものを指します。通常、以下の4つの要素で構成されています。

- カット割り(ビジュアル): 画面に映る構図、アングル、キャラクターの配置
- アクション(ト書き): 登場人物の動き、カメラワーク(ズームやパンなど)
- セリフ・オーディオ: ナレーション、セリフ、BGM、効果音(SE)のタイミング
- タイム(尺): そのカットに何秒かけるかという時間の目安
さらに、カメラワークや照明の指示など、書き込む情報量は作成者によってさまざまです。
絵コンテはプロだけでなく、個人制作や学生など、映像を作りたいと思っているすべての人が作成できるツールです。そのため、映像制作現場に限らず、学校や自宅など多様な場所で使用されます。
2. 絵コンテが必要な4つの理由
最近は誰でも簡単に撮影できるようになったので、撮影時間を短縮するために絵コンテ作成を割愛する人も少なくありません。
それでも、絵コンテが必要な理由をご紹介します。
① 構成をしっかり練ることができる
本当にこのカットが必要なのか、この構図でストーリーの意図が伝わるのか。このような細かな確認・検討は、映像制作において大切な作業です。理想的な映像にするためにも、まずは絵コンテで試行錯誤してみましょう。
② チームにイメージを共有できる
映像制作やアニメーション制作は、個人制作でない限り、チームプレイで進行することが一般的です。 「夕暮れの街を寂しそうに歩く」という一文でも、人によって「引きの絵」か「アップの絵」かイメージが異なります。絵コンテという共通言語があることで、スタッフ・クライアント全員が同じゴールを目指すことができます。
③ 撮影現場の「迷い」をなくす
現場は時間との戦いです。絵コンテがあれば「次はどの機材を使い、どこから撮るか」が明確になり、無駄な待ち時間がなくなります。また、撮りこぼしという致命的なミスも防げます。
④ 予算とスケジュールの最適化
絵コンテによって必要なカット数が確定すると、機材やロケ地が選定できたり、必要なエキストラの数が正確に割り出せたりします。
結果として、制作費の無駄遣いを防ぐことにつながります。
3. コンテの種類
コンテには複数種類があり、絵コンテ以外もさまざまな形で使用されています。
代表的なコンテを3種類紹介します。
字コンテ

制作の初期段階(企画・構成フェーズ)で、クライアントやスタッフと全体の流れを素早く共有するために作成します。
絵を描く手間を省けるため、スピードが重視されるYouTube、Web広告、インタビュー動画などの現場で、内容の合意形成や編集指示書としても多用されます。
絵コンテ

撮影の事前準備(プリプロダクション)で、アングルや照明、キャラクターの動きを細かく共有するために作成します。実写映画、アニメ、TVCMなど、高いクオリティや複雑な画面構成が求められる現場で、現場スタッフ全員が共通のゴールを確認するための指標として使われます。主に監督やカメラマンが作成します。
ビデオコンテ(Vコンテ)
撮影や本編集の前に、映像のテンポや尺・長さを確認するために作成します。秒単位の調整が必要なハイエンドな広告やCG制作の現場で、完成後の「イメージのズレ」を最小限に抑え、制作のムダを省くためのシミュレーションとして活用されます。
主に演出家やクライアントが作成します。このようなビデオコンテ(Vコンテ)はiPadアプリのDROMIを使って描くのがおすすめです。
4. 絵コンテの活用例
映像制作前に作成するイメージの強い絵コンテですが、実はいろんなタイミングで活用されます。また制作物や、チーム体制によって絵コンテを活用するタイミングは異なります。

※一般的な短編映像の制作フローの例。アニメ制作やCG作成でも、準備段階から完成間際まで絵コンテが活用されます。
プリプロダクションフェーズ
プリプロダクションとは、映像や音楽などの制作工程において、実際の撮影や録音といった「本番(プロダクション)」に入る前に行われるすべての準備段階を指します。
クライアントや制作チーム内での合意形成

クライアントの社内確認用や、制作チームでの合意を得るために活用されます。
事前に映像イメージを共有しておくことで、「イメージと違う」という事後トラブルを防ぎます。さらに、ビジュアルで示すことで、言葉では伝わりにくい「雰囲気」の承認がスムーズになります。
また、コンペ式の案件では仕様書の1つとして「絵コンテ等 動画の詳細が分かるもの」と記載されていることもあります。
各カットの長さと尺埋め
何カット必要で、各カットで何秒もたせる/もつか、の検討に使用することもあります。
クライアント案件だと動画の時間が決まっていることが多いので、見積もりにズレが出ないよう、絵コンテの段階でかなり細かく時間を計りながら作ることもあります。
また、個人制作の場合も作ろうとしている制作物がどのくらいの長さなのか、作りたい動画の長さと照らし合わせて、この段階で調整しておくと後の撮影・編集がスムーズになります。
プロダクション(撮影)フェーズ
プロダクションとは、プリプロダクションで練り上げた設計図をもとに、実際に素材を創り出す「本番」の工程を指します。
映像制作であればカメラを回して演技を記録する「撮影」そのものであり、音楽制作であれば楽器の演奏や歌を吹き込む「レコーディング」の段階にあたります。
撮影スタッフへの共有・ディレクション

撮影現場には、カメラ・音声・照明・ヘアメイク・衣装など多くの専門スタッフが集結するため、カットイメージの正確な共有が不可欠です。事前にPDFで共有するだけでなく、現場でもプリントアウト資料やiPadを活用し、全員が「次に何を撮るべきか」を瞬時に把握できる環境を整えます。
あわせて、カットごとに必要な機材(カメラ・レンズ・マイク等)の目検をつけることで、撮り漏れや技術的なミスを未然に防ぎ、タイトなスケジュールの中でも迷いのないスムーズな進行を実現します。
クライアントへの提示

クライアント(担当者)が同席される場合は、手元で進行を確認できるよう絵コンテをプリントアウトして用意します。
デジタル共有に加え、あえて紙の資料を準備することで、より多くのスタッフが同時に内容を確認でき、現場全体でのクイックな意思疎通を可能にします。
ポストプロダクションフェーズ
ポストプロダクションとは、撮影や録音で揃った素材を一つにまとめ上げ、最終的な「作品」として完成させる仕上げの工程を指します。
映像編集
編集時も絵コンテと照らし合わせながら作業することで、編集マン・ディレクター・クライアント間での齟齬を防ぎます。
ナレーションなどのアフレコ
粗編集※が完成していない状態でナレーションを収録しないといけない場合、絵コンテに記載された時間割を参考に収録することもあります。
※ 撮影素材の中からOKカットのみを切り出し、シナリオの順番通りに動画をつなぎ合わせたもの、またはその作業を指す。「粗編(あらへん)」とも呼ばれる。
Web・アプリ開発
UX設計

絵コンテは動画制作のイメージが強いですが、実はUX設計など動画以外の制作でも活用されることがあります。
絵コンテでユーザーの課題や体験を可視化することで、チーム内の認識を統一し、解決策をイメージしやすくします。
これらの手法は、ストーリーボーディングと呼ばれます。
完成後はペーパープロトタイプの作成に移行し、ストーリーに沿った接点(タッチポイント)を設計することで、最終成果物の精度を高めます。また、この段階でストーリーボードを用いたコンセプトテストを行い、アイデアの妥当性を検証することも有効です。
5. まずは書いてみよう!
絵コンテの基本を理解したら、次は実際に手を動かしてみましょう。
作成方法に厳密なルールはありません。
「ストーリーボードの教科書(※1)」という書籍では、絵コンテ制作の心持ちを次のように示しています。
ストーリーボードは使い捨てのアートです。
したがって、手早く描けて、画面構成がしっかりした
描画スタイルを獲得することが大切です。
まずはご自身にとって最もハードルが低く、書きやすいスタイルから始めてみるのがおすすめです!
※1. Bスプラウト|2020. 「ストーリーボードの教科書」. ボーンデジタル
まっさらの紙に書く
紙とペンさえあれば、思い立った瞬間に書き始めることができます。形式に縛られず、自由にアイデアを広げたい時に最適です。
テンプレートを印刷して描く
あらかじめ枠組み(カット割り)が印刷されたテンプレートを使えば、構図や指示出しの項目を迷わず書き込めるため、短時間で体裁の整ったコンテが作成できます。
iPad・タブレットで書く
絵コンテ専用アプリやイラスト制作ソフトを活用する方法です。修正やカットの入れ替え、複製がデジタル操作で簡単に行えるため、作業効率が大幅にアップします。
DROMI(ドローミ)を活用する
iPad専用の絵コンテ作成アプリです。最大の特長は、描いた絵をタイムラインに並べて音楽や音声を付けられること。静止画の「絵コンテ」としてだけでなく、完成イメージを動画で確認できる「ビデオコンテ(Vコンテ)」もこれ一つで作成可能です。直感的な操作感で、初心者でもスピード感を持って形にできます。
6. よくある質問(FAQ)

Question
絵が下手でも大丈夫ですか?

Answer
全く問題ありません!
重要なのは絵の上手さではなく「何がどこにあり、どう動くか」が伝わることです。棒人間や図形、ロケハン写真の切り貼りでも十分に役割を果たします。
ただし、現場やチームによって求められる書き込み量が異なる場合があるため、事前に「どの程度の具体性が必要か」を確認しておくとよりスムーズです。

Question
絵コンテなしで撮影するとどうなりますか?

Answer
編集段階で後悔するリスクが格段に高まります。
字コンテのみで撮影できる場合もありますが、ビジュアルでの事前確認を怠ると「必要なカットが足りない」「イメージと違う素材ばかりでつながらない」といったトラブルを招きがちです。
結果として撮り直しによるコスト倍増にもなりかねないため、クオリティと効率の両面で絵コンテは極めて重要な役割を果たします。

Question
SNS配信用の短い動画でも絵コンテは作成した方がいいですか?

Answer
数秒の動画こそ「簡易的な絵コンテ」を作ることをおすすめします!
SNS動画は冒頭の1〜2秒で視聴者の離脱が決まるため、事前に「どう惹きつけるか」の設計が成功のカギとなります。また、スマホ特有の「縦画面」は映る範囲が限られるため、構図を固めておくことで撮影の迷いがなくなり、SNSで最も大切な「テンポの良い編集」もスムーズになります。プロのような清書は不要ですので、ノートへの殴り書き程度から始めてみましょう。
7. 初心者にはまずDROMIがおすすめ!
なぜ初心者にDROMIがおすすめなの?
デジタルならではの編集力: iPadアプリなので、描いた絵の複製や削除、ショットの入れ替えも自由自在。書き直しを恐れずどんどんアイデアを出せます。
すぐにビデオコンテ(Vコンテ)ができる: 絵に音声を追加できるので、完成形に近い「ビデオコンテ(Vコンテ)」まで作成可能。映像の間やテンポまで事前に確認できます。
書き出しがスムーズ: 描いたコンテはそのまま、印刷に適したストーリーボード表示でPDF書き出しが可能。DROMI形式でのデータ転送もできるので、共有もスムーズです。
これから映像を作ってみたい方も、プロへの依頼を検討中の方も、まずは構えず描き始めてみてください。思いつくままに描いた落書きが、そのまま絵コンテになります!
DROMIと一緒に、あなたのアイデアを形にする楽しさを体験しましょう!
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